みうらじゅん「ない仕事」の作り方、感想レビュー
みうらじゅん「ない仕事」の作り方、感想レビュー。みうらじゅん「ない仕事」の作り方という、文字列がなんとも興味をそそります。みうらじゅんさんの、エッセイ集です。「ない仕事」の作り方、面白い、おすすめなエッセイ集でした。だって、みうらじゅんさん、ない仕事をある仕事にするわけですから……。
みうらじゅん「ない仕事」の作り方、競馬の「ケ」の字も出てきませんが、競馬本・馬券本として読める一面もあって面白い。おすすめ本です。
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みうらじゅん「ない仕事」の作り方(文藝春秋)感想・レビュー。定価・1250円+税。
みうらじゅん「ない仕事」の作り方、このタイトル、文字列に「おっ」と、なんだろうと気づく人多いんじゃないだろうか。「ない仕事」の作り方、幅の広いひっかかり方をする網、タイトル、本、エッセイ集。みうらじゅんさん、いい網投げたなぁ〜というのが最初の感想。
みうらじゅんさん、いい網、味のある網投げそうだもの(どういうイメージでだよ)。
「こういうことは、こうだから、こう正しいものなんだっっ」と、四六時中頭にある人ほど反応しそう。杓子定規な思考回路の人ね。日々不安だと感じてるから、定規で計れる中にいたがるんでしょうけど……。反応といいましても、「ないものはないだろー」的反応ですけど。
しかし、「ない仕事」の作り方が去年の11月末に発売されてたとは……。知らなかったのはうかつもうかつでありました。
「ない仕事」の作り方、競馬本・馬券本としても読むことできますよ、という話を、少々。
ウチのおふくろの名言「ないものは、作れば、ある」
手前味噌でこざいますが、ウチのおふくろの名言というのがあります。ワタシが小学生、低学年、いや中学年だったかもしれませんが。ワタシが「あれがない。あれがない」とぐずったんでしょう。
おふくろ、こう言いました。
「ないものは、作れば、ある」
と。
当時、その言葉を耳にしてワタシ、ぽっかーんとしてたと思います。まあ、子どもも子どもの頃ですから、しょうがない。そんなの当たり前じゃんと思うわけです。
なのですが、妙にこの言葉、頭に残ってまして。
「ないんだったら、作ればいいんだよ」と、「あるものはある」わけだと、半ば楽観的な部分を内包しつつ37歳になっちゃいました。
そんなことが自分の人生にあったもので、みうらじゅんさんの「ない仕事」の作り方という本を買って速攻で読み終えたのは言うまでもないのです。
ないと思われているものをある状態にする醍醐味をどこか知っていたものですから……。
「ない仕事」は、評価の角度探しである
「ない仕事」と言うのは、評価の角度が与えられてないものに、こんな評価の角度あるよ、こんな価値あるんじゃない? すると、こう楽しめるんじゃない? を伝える感覚と言っていいでしょう。
みうらじゅんさんの書かれる「ない仕事」的な行動をするのは骨が折れまくります。すでに評価されていることを使うほうが楽ですから。説明をあまりしなくっても伝わるほうが楽ですから……。
人はよくわからないものに対して、すぐに「つまらない」と反応しがちです。しかしそれでは「普通」じゃないですか。「ない仕事」を世に送り出すには、「普通」では成立しません。「つまらないかもな」と思ったら「つま……」くらいのタイミングで、「そこがいいんじゃない!」と全肯定し、「普通」な自分を否定していく。そうすることで、より面白く感じられ、自信が湧いてくるのです。
みうらじゅん「ない仕事」の作り方・26pより
競馬でも同じだなと思いました。
穴、大穴になるような馬っていうのは、よくわからない馬で大抵の人が「つまらない=いらない」って反応する馬なんです。だけど、つま……くらいなタイミングで、それいいんじゃない、今回の馬場で行けるんじゃないと肯定して行ってると、走る馬が見つかる。大穴よありがとう。単勝が100倍越えてる? 不安? しらんしらん。
競馬のレース結果は様々であるけれど、馬柱・競馬新聞を見てて、「あー、つまらない馬、いらない」なんてしているときに、いるいるー、このうまいいんじゃない? となれるかどうかは、競走馬の強さを見立てることのほかに馬券を買うところにつきまとう精神的なこととからみまくるでしょう。
うまくいくかどうかを細かいレベルで確認しまくってるかどうか。自信につながる構造でもありましょう。
第一印象よくないと、そっぽ向く問題
第一印象が悪いものは、「嫌だ」「違和感がある」と思い、普通の人はそこで拒絶します。
みうらじゅん「ない仕事」の作り方・44pより
競馬新聞を読む。馬柱の着順が良くない。なんとも手を出しにくい着順がずらり並んでおります。
嫌ですね。違和感ありますね。
でも、そういった違和感たっぷりな馬だけが穴になります。これに例外はないでしょう。着順が悪くなった理由は様々。馬場、ペース、競馬場の特徴、相手関係、不利……。馬柱に書かれなかったことが要因だったりします。
繰り返しになりますが、競馬予想をうまくいかせるためには、日頃からどう見ているのか、とらえてるのか勝負なんだなと、みうらじゅん「ない仕事」の作り方を読んで改めて確認しました。
つまらないつまらないと日々見てる人は、そういう材料を揃えて見てしまってるわけです。そこで、ない仕事が作り上げられることはないです。つまるところ、穴は見つからない。
競馬に限らず、穴を見つけたい人には是非ともおすすめします。
「ない仕事」と思われている需要のないことが、「ある仕事」になってある程度の需要を持つことはたくさんあります。それをする人が少ないだけで……。
あっ、ただ、「ない仕事」の作り方には、競馬の「け」の字も出てきませんのでご注意のほど。評価の角度を変えながらお読みください。
以上、みうらじゅん「ない仕事」の作り方、感想レビュー。エッセイ集。競馬本・馬券本として読める一面もあって面白い。おすすめ本という話でした。