「みうらじゅん著「ない仕事」の作り方(出版社 文藝春秋→文春文庫)。感想レビュー」。
みうらじゅん「ない仕事」の作り方という、文字列がなんとも興味をそそります。エッセイ本。2021年の本屋大賞発掘部門で賞取られています。
「ない仕事」と言っても「将来性のない仕事」「やりたくない仕事」「やる気が出ない仕事」みたいな否定系の「ない仕事」の作り方では決してありません(※)。むしろその逆。
帯にあります、一人電通プレイ。価値観として現状スポットライトの当たらない「ない仕事」を「ある仕事」として作る。「マイブーム」「ゆるキャラ」「いやげもの」。
「ない仕事」の作り方、面白い、おすすめなエッセイ本でした。だって、みうらじゅんさん、ない仕事をある仕事にするわけですから……。
目次
髪型ロングにしてサングラスかけて
例えるなら、現在検索キーワードとしてない言葉をGoogleさん接待して検索に載るようにしていくみたいな話。みうらじゅんさんの作った言葉はたくさんあります。
さて、髪型ロングにしてサングラスかけまして(形から?)。競馬寄りに話を。
※どなたかがブログに書いてましたが「ない仕事」の関連キーワードが膨大と。調べて見ましたが「ストレスのない仕事」「責任のない仕事」「AIに取られない仕事」「頭を使わない仕事」など、重複も含み4000近く(都内仕事求人みたいなのも含むけれど、すごいな……締め切りのない仕事とか、どうやってお金得るんじゃ。一瞬、イベントにしたら面白そうって思ったけど、誰も作品持ってこなさそう)。
ウチの母親の名言「ないものは、作れば、ある」
手前味噌でこざいますが、ウチのおふくろの名言というのがあります。エピソード。ワタシが小学生、低学年、いや中学年だったかもしれませんが。ワタシが「あれがない。あれがない」とぐずったんでしょう。
おふくろ、こう言いました。
「ないものは、作れば、ある」
と。
当時、その言葉を耳にしてワタシ、ぽっかーんとしてたと思います。まあ、子どもも子どもの頃ですから、しょうがない。子育てなんだろうけど、そんなの当たり前じゃん母親よと思うわけです。
なのですが、妙にこの言葉、頭に残ってまして。
「ないんだったら、作ればいいんだよ」と、あるものはあるわけだと、半ば楽観的な部分を内包しつつ37歳になった。
そんなことが自分の人生にあったもので、みうらじゅんさんの「ない仕事」の作り方という本を買って速攻で読み終えたのは言うまでもないのです。
ないと思われているものをある状態にする醍醐味をどこか知っていたものですから……。
ない仕事作って、親孝行プレイせんと(ん?)。
「ない仕事」は、評価の角度探しである
「ない仕事」と言うのは、評価の角度が与えられてないものに、こんな評価の角度あるよ、こんな価値あるんじゃない? すると、こう楽しめるんじゃない? を伝える感覚と言っていいでしょう。
みうらじゅんさんの書かれる「ない仕事」的な行動をするのは骨が折れまくります。すでに評価されていることを使うほうが楽ですから。説明をあまりしなくっても伝わるほうが楽ですから……。
プロフィールに書く言葉にしても誰も知らない言葉より、誰でも知ってる言葉を使う方が楽です。キャラクターに変えても曲に変えても同じ話。
つまらないという反応からの
「人はよくわからないものに対して、すぐに「つまらない」と反応しがちです。しかしそれでは「普通」じゃないですか。「ない仕事」を世に送り出すには、「普通」では成立しません。「つまらないかもな」と思ったら「つま……」くらいのタイミングで、「そこがいいんじゃない!」と全肯定し、「普通」な自分を否定していく。そうすることで、より面白く感じられ、自信が湧いてくるのです」。
みうらじゅん「ない仕事」の作り方・26pより
競馬でも同じだなと。
穴、大穴になるような馬っていうのは、よくわからない馬で大抵の人が「つまらない=いらない」って反応する馬です。
「いら……」くらいのタイミングで「あのレースと似てる」と言う感じが口癖になる方がいいでしょう(みうらじゅんさんがスクラップをたくさん作るように、自分は馬券になるレース映像のコレクターになりました)。
みうらじゅん「ない仕事の作り方」感想 まとめ
「第一印象が悪いものは、「嫌だ」「違和感がある」と思い、普通の人はそこで拒絶します」。
みうらじゅん「ない仕事」の作り方・44pより
競馬新聞を読む。馬柱の着順が良くない。なんとも手を出しにくい着順がずらり並んでおります。
嫌ですね。違和感ありますね。
でも、そういった違和感たっぷりな馬だけが穴になります。これに例外はないでしょう。
繰り返しになりますが、競馬予想をうまくいかせるためには、日頃からどう見ているのか、とらえてるのか勝負なんだなと、みうらじゅん「ない仕事」の作り方を読んで改めて確認しました。
つまらないつまらないと日々見てる人は、そういう材料を揃えて見てしまってるわけです。そこで、ない仕事が作り上げられることはないです。つまるところ、穴は見つからない。
競馬に限らず、穴を見つけたい人には是非ともおすすめします。
「ない仕事」と思われている需要のないことが「ある仕事」になってある程度の需要を持つことはたくさんあります。それをする人が少ないだけで……。
あっ、ただ、「ない仕事」の作り方には、競馬の「け」の字も出てきませんのでご注意のほど。評価の角度を変えながらお読みください。
以上、「みうらじゅん「ない仕事の作り方」感想。エッセイ本。面白いおすすめでした」。
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