競馬のレースに有利・不利は大小あるけど【結果からレース回顧する上で触れないといけない不利はある】
「競馬のレースに有利・不利は大小あります。競馬のレースが毎日のように行われて、不利がなかったレースは1レースもないでしょう。
ゆえに、結果から競馬のレース回顧する上で、触れないといけない不利はある。不利があったから、有利になったレースもある。
競馬を見ていく上で重要なこと」。
東スポに掲載された、フェアリーS・パイロ産駒・ビービーバーレルの話にちょいとした疑問が。
競馬には不利がある。レースの結果から回顧する上で、不利に最低限触れないと妙な話になるんだけどなぁと思った話を。
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最低限触れないといけない不利があったのですが……。
「年明け11日のGIIIフェアリーS(ビービーバーレル)で、開業2年目にして重賞初制覇を遂げた中舘英二調教師。それはまさに現役ジョッキーをほうふつさせる鮮やかな逃走劇であったが、翌週の美浦ではさらに興味深い話でそのメモリアルVを振り返った」。
「見ているオレにすれば、いつ差されるかと直線ヒヤヒヤだったけどね。上がってきたジョッキー(石橋)は”いや、結構余裕がありましたよ”と涼しい顔。そこで冷静になってパトロールビデオを見て”なるほどね”と思ったんだ」
「2着ダイワドレッサーとは1馬身3/4差。しかし実際はその着差以上の完勝だった、というのが陣営の見解だ。果たしてその根拠は? 指揮官が独特の視点でさっそく解説してくれた」。
「オレもジョッキーをやっていたから分かるんだけどさ。馬が苦しくなると乗り役は着差にかかわらずステッキを2、3発入れたくなる。それが騎手心理ってもんなんだ。ただ、このレースで(石橋)シュウはゴールまでそんなアクションは見せなかった。なるほどメイチじゃなかったなと、その時に気づかされた」
東京スポーツ 2016.1.21号 トレセン発秘話より
東スポの記事、この先も続くのですが、最後まで読んで「あれっ?」と感じたのは、ビービーバーレルの勝った、フェアリーステークスのことを書く上で、重要な不利の発生について触れてないことだったのです。
レース回顧に必須な不利について書かれていないのです。
ビービーバーレルの勝ったフェアリーステークス、レース映像を見てみましょう。
中山競馬場の芝1600m。内枠の馬に有利で外枠の馬には不利なコースです。テン3ハロンは下り坂になってるコース。
ビービーバーレルは6番枠から逃げてゆきます。内枠の馬と外枠の馬のスタート後の位置取りを見ていると、内枠の馬は前で、番号が増えるほど、後になってる展開で進みます。
逃げ馬ビービーバーレルにとって、6番という枠は素敵な枠だったでしょう。内枠が有利になることに逃げ馬な脚質は、中山競馬場・芝1600mにぴったりです。
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スタートしてまもなくの出来事として、レッドシルヴィは手綱引き過ぎてリズム崩してつまずくシーンが見られました。いた位置が前目のまん中あたり。
下がってきたとき、後にスペースはあったものの、後の馬、そばにいた馬に影響がないわけがない。
それだけなく、フェアリーステークスはごちゃごちゃした競馬に見えました。
手綱引き気味な馬の多いこと、多いこと。
そんな中、逃げたビービーバーレルの鞍上が手綱を引き気味に進むことはあまりない。あっても、前に行きすぎないように調整する塩梅の手綱さばきだ。つまり、逃げ馬にとってありがたい状態になってたということです。
(ペースの早くなりそうなコースで前へ前へ行きたい馬がいてスローに落とされたら、そりゃたまらないでしょう。ビービーバーレルがレースをうまいことコントロールしたということです)。
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4コーナー入って、直線です。中団の前あたり、内側を走っていた、田中勝春鞍上、コパノマリーンが進路求めて外へ出して来る。
ついてなかったのは、まずレッドシルヴィ。コパノマリーンが勢い良く外に行ってしまってぶつかってしまう。
そこから、ルミナスティアラ→シーブリーズラブ→ハマヒルガオと連鎖反応で不利発生。
この不利というのは、第一波、第二波……じゃないけど、時間の長い不利で、食らった馬は下位に。この不利、馬場のだいたいまん中あたりで発生したもの(レッドシルヴィに何もないといいのだけど……)。
余談を書くと、外から追い込んできた、アルジャンテ、ラブリーアモン、リセエンヌは直線で不利をくらってない……。
スタートから細かく分析してみると、逃げ馬にとっては嬉しすぎる展開でしょうにとなります。
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さて、東スポの記事。フェアリーステークスのレース前半のごちゃごちゃ競馬はいいとしても、直線の不利について記事で一切触れられてなかったので、「あれっ」と感じたのです。
ビービーバーレルの勝った、フェアリーステークスを語る上で、最低限必要な話ですから。
直線、石橋脩騎手がステッキを入れなくてもよかったのは、直後で起きてた不利のおかげでという話です。
(勝った馬の調教師さんの前でそんな話ができない、しにくいだろうし、書くわけ、触れるわけにもいかないんだろうけど……、レース映像みてますやん……)。
違う見方をすると、石橋騎手のゴール前どのくらい追うとどう伸びるのかを把握する能力はかなりあるんだなということです。
ビービーバーレルの場合は不利が直後で起きてたわけですけど、そうでなければ違う見立てができるわけですから(中舘調教師とおなじ見立てができるという話)。
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競馬において逃げ馬の成績は安定しないが……
逃げ馬って、成績が安定しないやら、大凡走するやら、マイナスなことを語られますけど、その反対のこともまま起こってまして。後の馬がコケテくれて逃げ馬の顔がほほえんでしょうがないレースもあるんです。
フェアリーステークスは、逃げ馬がほほえんでしょうがないレースでしょう。
ああっ、もちろん、逃げ馬は後を窮屈にさせて、脚使わせてなんぼというところはありますから、ビービーバーレルのやり口が良くないという意味ではありませんのであしからず(そういうレース映像みてて、次走いいかもという馬を発見できることはありますので)。
競馬のレースで不利が起こってるということは、有利になった馬もいるということです。
これは、レース映像をぐりぐりに見ないとわかりません。ただ、競馬新聞など(自分は競馬ブックwebを使ってます)には不利があったということは書かれていますから、レース映像を見る上で参考にはなります(けっこうスタート後の躓きなど、ありがたいもの多し)。
以上、競馬のレースに有利・不利は大小あるけど【結果からレース回顧する上で触れないといけない不利はある】という話でした。
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